自動補液限外ろ過装置 ゲンゴロウMD

◎ゲンゴロウMDの特長

これまで遠心機を使用した脱塩・濃縮は時間と労力がかかる大変な作業でした。「ゲンゴロウMD」では作業工程をタッチパネルから入力すると、研究者の代わりに指示した条件に従って作業をしてくれます。

  1. 処理液量
    150 mL ~5,000 mLの試料液を処理することができます。また、ご希望に応じてスケールアップした装置も製造可能です。
  2. 軽量・小型
    幅 70cm、奥行40cmほどの占有面積があればどこでも使用することができます。
    クリーンベンチに置くことも可能です。

 

◎ゲンゴロウMDのセットモード

自動モード(脱塩)、濃縮モード、手動モードの3つがあります。目的に合わせて選ぶことができます。

  1. 自動モード(脱塩)
    限外ろ過による試料液の減量を測定して、自動的に補液しながら連続運転します。
    1回の補液量と補液回数をタッチパネルで指示して自動運転をさせ、完了したら自動停止します。
  2. 濃縮モード
    処理液の重量が設定目標値のグラム数に到達した時点でろ過を自動停止します。
  3. 手動モード
    1つずつの工程を手動で操作できます。

 

◎ゲンゴロウMDの活用例

    1. 高分子化合物から有害な低分子量の原料と副生成物を除去
      医療機器や化粧品などの生体適合性の良い原材料として使用する目的で高分子化合物を合成する際に、残った原料や副生成物には生物学的な毒性を持つものが少なくありません。このような高分子化合物に混在する分子量の小さな物質を目標値まで除去するための条件検討に適しています。

 

    1. 天然抽出物から新しい有用成分を探索したい
      天然動植物からの抽出液中の含有成分をまずGPC(ゲルろ過クロマト)によってどのような分子量の物質が含まれているかを調べます。一般的には天然物からの抽出液の中には色々な分子量の物質が多数含まれています。そこで、ひとまず調べたい分子量の成分以外のものを出来るだけ自動限外ろ過で除去してから、分取などの手段で単一物質を集めるのが効率的です。目的の分子量範囲の分画実験に使用します。

 

    1. 酵素反応溶液からの酵素の回収
      酵素反応後の回収実験。高分子溶液から酵素を取り除いて回収することができると、製造コストの低減が可能です。プロセス開発実験で、生成物と酵素を分離できるかどうかを検討する実験に使用します。

 

    1. 反応後の混合成分分離に限外ろ過法が使えるかどうかの確認
      手ごろなスケールの装置や膜ユニットが無いことなどから、限外ろ過法の特徴がわかりにくく有用性が過小評価されているケースに多く出会います。何でも相談していただき、必要なら事前に試験的な処理を実施することをお勧めしています。実費で先行テストを行い、最適プロセスや運転法のアドバイスを致します。

 

    1. スケールアップを検討したいとき
      医薬研究などで評価を進めるためには、段階を追ってスケールアップをする必要があります。同じ膜で少しずつスケールアップしながら、量産試作までフォロー致します。本装置で検討した結果に基づいて10~100リットルスケールの装置も、低価格・高品質・高機能にて設計製作致します。きめ細かく経験豊富な専門家が相談にのります。

 

  1. 透析チューブで行っている実験を省力化したい
    透析膜のチューブに液を封入して透析をする場合には、浸透圧の影響、攪拌の状態などによって大きく速度が変化しますので定量的な計画や解析が困難です。また非常に長時間を要しますので腐敗や変質などの影響も無視できません。本装置では、液を入れて、条件を決めてタッチパネルから入力してしまえば、あとは終了まで何も作業はありません。帰宅時にはじめると翌朝には作業が進んでいます。もちろん休日の間にも装置が働いてくれます。

◎ゲンゴロウMDの仕様

商品名ゲンゴロウMD
型式TOF-02
本体
最大処理液量5,000 g (容器含む)
ろ過圧力0.2 MPa
使用温度5 ~ 45℃
寸法W300 x D150 x H350 mm
重量約 8.5 kg
必要電力AC100V, 50W以下
軽量台
寸法W275 x D230 x H50 mm
重量約 2.3 kg