メンブレンシステム開発に必要な評価試験とは?

プロセス流体を処理する膜分離システムの設計における評価試験の役割

プロセス流体を分離・精製・濃縮・回収するために、さまざまな分野で膜分離技術が利用されています。電子産業や食品工業をはじめ、製薬、バイオ、化学工業などあらゆる産業にて膜分離技術は製造工程において不可欠の存在になりつつあります。このような膜分離技術を利用したシステムを設計・構築する際には、一般的にプロセス流体の実液を使用してメンブレンの各種性能を確認する「評価試験」を行います。
トスクでは膜分離システムを設計に不可欠な各種評価試験をスムーズに進めるためのさまざまなサービスを提供しています。

ラボスケールにおける平膜クロスフロー試験機による試験

実験室規模で行われる平膜(フラットシート)を用いた評価試験は小規模にて、より多くの種類の膜を安価にかつ迅速に評価することが可能です。このため平膜試験は、対象のプロセス流体が膜分離技術によって処理可能かどうかの実用可能性 (フィージビリティ)を探るのに一般的に利用される試験方法です。

picSepa01トスクでは平膜でクロスフロー濾過の試験が可能なフランス SUEZ社製(旧 米国GEウォーター・テクノロジーズ)の「Sepa-CF」平膜試験セルを所有しています。少量のサンプル液にて、より多くの種類の膜を安価かつ迅速に性能評価することが可能な「Sepa-CF」平膜試験セルは設定・操作が容易なため、温度、圧力、粘度などの運転条件を変更しながら膜の性能確認をすることが可能です。

また、トスクでは平膜によるラボスケールでの評価試験を実施する際に必要となる、各種平膜 (RO/NF/UF/MF)や部材の調達をはじめ、各種技術サポートを提供しています。例えば、トスク所有の「Sepa-CF」平膜試験セルを利用して、顧客と共同で評価試験の目的・目標を設定し、さまざまな角度から実液を用いたフィージビリティ(実用性)テストを行うことも可能です。

膜モジュールによる パイロット/プロトタイプ評価試験

toscpilot平膜によるラボスケールの評価試験結果や、過去の実績、既存データなどから、対象の液体が膜分離によって処理できる目処がある場合、実際の膜モジュール(もしくは小型膜モジュール)を利用したパイロット/プロトタイプ評価試験が行われます。パイロット/プロトタイプの評価試験は、実機の設計に必要なエンジニアリングデータを取得するため、多くの場合、実際の現場にて実機の稼動条件に近い状態で実施されます。
トスクでは移動可能なパイロット評価試験装置(RO/NF装置およびNF/UF/MF装置)を所有しています。
これらの試験機は4”x40”のRO, NF, UF, MF膜モジュールに対応しており、汎用的なパイロット評価試験であれば、トスク社内もしくは現場にて評価試験を実施することが可能です。
また、サニタリー仕様やカスタム仕様のパイロット/プロトタイプ評価試験ユニットが必要な場合には、顧客の用途に応じたパイロット/プロトタイプ試験装置の設計、製作、および部材の調達を行うことが可能です。

評価試験を行うメンブレンシステムの用途例

pesバイオメディカル

抗生物質の濃縮、酵素精製・濃縮、たんぱく質分離・濃縮、プラズマ分離、セル採取

膜の研究

薬品適合性、洗浄手順の効率化、大規模メンブレンシステムの監視、スケールアップのための研究

食品

ホエーとミルクの濃縮・脱塩、ジュースの濃縮と冷滅菌、大豆ホエーの回収、デキストランの精製・除去、多糖類の脱塩、スターチ濃縮、糖の分画

化学プロセス処理

有機物の濃縮・分画・精製、薬品の分画、有価金属の回収、酸の濃縮・精製、アルコールの精製、BOD/CODの低減、かん水の脱塩、コロイド鉄の除去、コロイド状シリカの除去、洗剤の除去、染料の濃縮・精製、染料工場の廃液回収、電着塗料の処理、エチレングリコールの精製・濃縮、蒸発器の復水処理、重金属の回収、洗濯廃液の回収、溶解物の精製、油水分離、めっき廃液処理、PVA濃縮、反応性シリカ除去、RO/NF前処理、SS除去、軟水化

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