耐ファウリング膜エレメントって本当に効果があるの?

フランス SUEZ社(旧 米国GEウォーター・テクノロジーズ)の耐ファウリング膜エレメントの特徴と効果

膜表面の平滑度とファウリングの関係

膜のファウリング (汚れ) は、生産水量や塩除去率の低下、操作圧の上昇などを引き起こし、膜処理システムの生産性に悪影響を及ぼします。一般的に膜ファウリングは、有機物やコロイドが膜表面で蓄積したり、微生物が膜表面で増殖したりすることにより発生します。

独立機関の調査や数々の比較調査より、膜表面が滑らかであることは膜ファウリングを防止するための最も重要な要因の一つであるといわれています。有機物が膜表面と接触すると、有機物は本質的に付着する場所を見つけ、その結果膜ファウリングが始まります。 汚れの原因が生物であれば胞子が付着できるすべての場所が、増殖してコロニーに発展する可能性があります。

表流水を原水とする逆浸透膜システムでは、伝統的に比較的膜表面が滑らかな酢酸セルロース(CA)膜が利用されてきました。しかし、一般的にCA膜は有機 物によるファウリングに影響されにくい反面、寿命が短く取り扱いが煩雑などの欠点があります。さらに、ポリアミド (PA) 膜と同等の除去率を得ようとすると約2倍の操作圧力が必要になるなどの問題もあります。

低ファウリングへのポリアミド (PA) 膜でのアプローチ

標準的なポリアミド(PA)製の逆浸透(RO)膜やナノフィルとレーション(NF)膜の膜表面を電子顕微鏡レベルで観察すると、固有の表面の荒さが見られます。そのためファウリングの原因物質である原水上のコロイド粒子や汚染物質が膜表面の凹凸に付着して、膜ファウリングを発生させます。
一般的に低ファウリング膜と呼ばれているポリアミド製の膜は、膜表面のゼータ電位をCA膜と同様に低くすることに主眼が置かれていますが、膜表面の平滑度は通常のポリアミド製の膜と同様のため原水上のコロイド粒子や汚染物質が膜表面の凹凸に付着して、膜ファウリングを発生させる可能性が残ります。

一方、フランス SUEZ社(旧 米国GEウォーター・テクノロジーズ)社では一般的なゼータ電位のアプローチとは異なり、耐ファウリングに膜表面が非常にスムーズな独自の3層構造をもったポリアミド製の膜を採用しています。さまざまなプロセス用途にて優れた性能が実証されている独自の3層構造膜は微生物や微粒子の膜表面への付着を低減するとともに、優れた安定性と薬品適合性をもっています。

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トスクでは、SUEZ(旧 GEウォーター・テクノロジーズ)の優れた耐ファウリング性能をもつDuraslick(デュラスリック)シリーズをはじめ、耐ファウリング性能に優れたプロセス用途の逆浸透膜(RO)、ナノフィルトレーション膜(NF)、限外ろ過膜(UF)の各種スパイラルモジュールを取り扱っています。

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