油による膜ファウリングの心配無用

高い耐ファウリング性能を持ったフランス SUEZ社(旧 米国GEウォーター・テクノロジーズ)の超親水性UF膜モジュール(M-Series)の特徴と効果

UF膜が油水分離の用途であまり利用されていない原因とは?

membrane4限外ろ過(UF)技術はさまざまな工業プロセスや廃水処理などで幅広く利用されています。水から油分を取り除く油水分離の用途においても、UFメンブレンによる処理は精度が高く優れた処理方法であると知られていましたが、下記のような理由によって、利用が限定されてきました。

  • 前処理工程から流入した浮上油(遊離オイル)による膜のファウリング。
  • 膜処理装置内にて、油エマルジョンが濃縮され脱エマルジョン化した浮上油(遊離オイル)による膜のファウリング。
  • 攻撃性の高い溶媒などが原水に偶発的に混入することによる膜のファウリングや膜の分解。

含油廃液処理用に開発されたフランス SUEZ社(旧 米国GEウォーター・テクノロジーズ)のMシリーズ超親水性UF膜モジュールは、独自の膜構造により、遊離油(浮上油)およびエマルジョン油の両方に対して優れた耐ファウリング (詰まり)性能と、強性溶媒に対するメンブレンの物理的および化学的安定性を持っています。

Mシリーズの耐油ファウリング技術

特許取得のMシリーズのPAN膜表面は超親水性 (水を吸着、油をはじく)に化学的に改質されています。この超親水性の膜表面は浮上油、エマルジョン、その他の疎水性溶液によるファウリングへの耐性が高く、非常に高効率な分離・ろ過を長期間にわたって行うことが可能です。

従来の疎水性が高い素材(ポリプロピレン、PVDF、ポリサルフォン等)を利用したUFメンブレンは、遊離油(浮上油)が少量でも存在すると簡単にメンブレンがファウリングします。 一方、Mシリーズの超親水性メンブレン( UltraFilic )はポリプロピレン、 PVDF 、ポリサルフォン等のメンブレンに比べて20 倍以上も親水性度が高くなっています。この親水性度の違いは膜表面に落とした水滴の接触角度を調べることで見ることが出来ます(下図参照)。より小さな接触角は水が膜表面へ吸着され、油をはじく推進力が強いことを示しています。反対により大きな接触角は油がメンブレン表面へ吸着される推進力が強くメンブレンのファウリングが生じます。

hydrophilicity

Mシリーズの耐薬品性と化学的安定性

強薬品性の溶液処理を行う場合、メンブレンの化学安定性は非常に重要です。Mシリーズの超親水性メンブレン(UltraFilic)は、広範囲のpH 範囲にて性能特性 ( 孔隙率および孔径分布 ) を維持するために、化学的にクロスリンクされています。メンブレンは含油廃水や溶液に含まれている可能性のある幅広い種類の(通常 PAN を溶解するようなものを含む)強性溶媒(例:塩素化炭化水素、ケトン、等)にも耐性があります。

compatibility

トスクではフランス SUEZ社(旧 米国GEウォーター・テクノロジーズ)製の油水分離用途に最適なMシリーズUF膜モジュールを取り扱っています。

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