ソフナー(軟水機)とは?

水の中に含まれる硬度を除去する軟水装置とは

自然界の水には必ず存在する硬度成分とは?

硬度成分とは水の中に含まれるカルシウム成分およびマグネシウム成分のことをいい、通常は炭酸カルシウム換算(ml/L CaCO3)で表されます。 硬度成分は自然界に存在するほとんどすべての水に存在しており、硬度レベルは地域や水源によって大きく異なります。なお、水に含まれる硬度成分が一定基準よりも高い水を硬水、低い水を軟水とよんでいますが、硬度レベルの分類方法には特に決まった定義はありません。

例えば、一般的には100ml/L(CaCO3)程度までを軟水と呼んだりすることもありますが、一般的に軟水と呼ばれるようなレベル(5~8mg/l as CaCO3)でも、産業用では硬度が高すぎて問題になることも多くあります。

水の硬度が引き起こす問題とは?

scale水の硬度成分は、さまざまな問題を引き起こします。例えば、一般的な生活においても水の硬度は食品の調理などに影響するだけでなく、 洗濯や食器洗いなどで余分な洗剤を消費すると同時に洗浄品質を低下させます。また、入浴の際にも高い硬度成分は肌に影響を与えるといわれています。

産業においては、部品洗浄などの品質低下や洗剤の過剰消費などの問題を発生させます。また硬度成分が結晶化したスケールの付着により、ボイラーの性能低下や配管の詰まり等が発生しトラブルの原因となります。さらに純水製造などの高度な水処理を行う際にも、スケールを発生させる硬度成分は問題となります。

硬度除去(軟水化)の方法とは?

規模や水質によって、さまざまな硬度除去の方法があります。例えば、上水道などで利用される凝析沈殿法は、強酸・強アルカリを利用してスラリーを発生させるため排水処理が必要になりますが、高い硬度成分を処理する場合に適しています。イオン交換法は取り扱いが容易で信頼性も高いため、中小規模において全国に多数設置されています。RO膜やNF膜などを利用したメンブレンによる処理は、原水水質によっては前処理段階での薬品処理やその他の硬度処理との併用が必要な場合もありますが、高度な水処理に適しています。

軟水化の定番:軟水装置(ソフナー)のしくみ

イオン交換法を用いた水の軟水化は最も一般的に行われている水処理方法の一つです。軟水装置には水中の陽イオンを交換するカチオンイオン交換樹脂が使用されます。このNa-型 陽イオン交換樹脂充填層に原水を通過させて、硬度イオン(Ca++, Mg++)を硬度に影響しないナトリウムイオン(Na+)と交換することにより軟水化を行います。イオン交換樹脂はイオンの種類によって親和性の強さが異なり、一般的に常温、低濃度であればイオン価の高いものほど親和性が高く、イオン交換樹脂との結合力が強くなります。例えば、Ca++はNa+よりもイオン価が大きく親和性が高いため、イオン交換樹脂はNa+を放出してCa++を捕捉するイオン交換が起こります。

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イオン交換樹脂のNa++が価電子の高い硬度イオンと交換されつくしてしまうと(イオン交換樹脂の飽和)イオン交換樹脂の再生が必要になります。6-8%のNaCl溶液を用いるとイオン交換樹脂のNa+への選択性が高くなるため、高濃度の食塩水を通水することにより飽和したイオン交換樹脂の再活性化(再生)を行うことができます。

トスク軟水装置軟水装置(ソフナー)はスケール成分の原因となる硬度(カルシウムやマグネシウム)をイオン交換樹脂によって効率的かつ経済的に除去する装置です。標準的な軟水装置は、イオン交換樹脂、イオン交換樹脂を充填するためのタンク、再生用の食塩タンク、制御用のタイマー/コントローラー、自動バルブから構成されており、硬度を除去すること(採水)はもちろん、再生などを自動で行うことが出来ます。